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双葉町での挑戦と奇跡:私たちの歩み

2019年7月、私たちは家族とともに、誰も住んでいない双葉町を訪れました。その町の姿は、2011年3月11日に時が止まったかのようでした。私と家内、そして息子は、その光景に胸を打たれ、涙を流しました。

「観ちゃったね」――帰りの車の中で、私はもう心の中で覚悟が定まっていたのかもしれません。この町を、もう一度輝かせたいという強い思いが芽生えました。

しかし、2020年4月には、世界的なコロナウイルスの蔓延によって、計画に迷いが生じました。そして2021年11月の起工式では、社員が一人も集まらず、その瞬間に後悔と不安が押し寄せました。それでも、私たちは諦めることなく前に進み続けました。

そしてついに、2023年4月、双葉町に新しい工場が竣工しました。しかし、開発は計画よりも遅れ、来客者数も予想の10分の1にとどまりました。何度も心が折れそうになり、諦めかけたこともありました。

それでも、私たちはその道を選び続けました。なぜなら、そこには24人の社員が笑顔で働いていたからです。「本当にあきらめなくてよかった」という思いが、私たちの心に深く刻まれました。この工場の開発は、まさに24人の社員への神様からの贈り物に違いありません。

この思いを胸に、私たちは双葉町の復興と発展を支え続け、ここで生まれる製品を世界に向けて発信していきます。私たちの努力と情熱が、少しでも多くの人々に伝わり、双葉町の未来への希望となることを願っています。

ある日、地元の高校生が新卒の女子社員に問いかけました。「復興とはあなたにとって何ですか?」その質問に、彼女は静かに、しかし確固たる信念を持って答えました。「わたしがここにいることです。」

この言葉が、私たちのすべてを物語っています。双葉町で働くこと、その場にいることが、私たちにとっての復興であり、希望です。私たちはこの町と共に歩み続け、未来へと進んでいきます。

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